戦前に活躍した川瀬巴水の作品を復刻しました。おそらく1930年代中頃に作られたものでしょう。20世紀に制作されたこのタイプの版画は、何層にも色が重なっているのが特徴で、明瞭かつ単純にできている浮世絵に..
日本について少しでも知識のある方なら、「観月」という習慣について多少はご存知のことでしょう。日本に来る前、この国に関するたくさんの本を読みましたが、その多くが月見のことを書いていました。たいていは次の..
この版画は、明治33年に出版された、川端玉章の画いた絵手本から選びました。 それには、「女子高等画帖」という題がついていて、作品は綴じずに収納されています。残念なことに、私の所有するものは、何枚かが欠..
これはジュール・シャデル(Jules Chadel)というフランス人が、1910年頃に制作した作品です。日本美術がヨーロッパに多大な影響を与えた19世紀末頃、「日本美術の友の会(Les Amis de..
昭和11年に出版された「新図考」という題の、版画本からの復刻です。様々な模様を紹介していて、デザインをしたのは袴田雪華という人です。図柄本というのは、着物の柄や焼き物の模様といった、特定の分野の職人に..
広重は、1830年代に鳥を題材に一定の型と手法で描いたシリーズを製作しています。今回はその作品のひとつに、ちょっと手を加えてみました。彫りはかなり大雑把で自然体、筆の流れにできた掠れも、そのままに表現..
1770年代に活躍した礒田湖龍斎の作品です。サギとカラスがツバキに留まっている様子は、文字通りの花鳥絵と言えましょう。 ここに現れている線は、和紙の表面に浮き上がって見えます。天井からの照明を..
日本で売られている ダルマは、たいてい1年の命しかありません。新年に購入して、願い事をしたり何か決意をした時に左目を描き入れ、その年の終わりに願いがかなったり決意を達成したら、右目を描き入れます。それ..
昭和11年に出版された「新図考」という題の、版画本からの復刻です。様々な模様を紹介していて、デザインをしたのは袴田雪華という人です。図柄本というのは、着物の柄や焼き物の模様といった、特定の分野の職人に..
この絵は「江戸土産」と題して次々と追加出版された作品集の中の1枚で、作者は広重です。 画かれているのは、王子にある不動の滝です。人物は棒切れのよう、そして木の葉の画き方などは初歩の域を出ないにもかかわ..
この美しい版画は、今まで私が製作してきた作品とは違う点があります。それは、オリジナル作品が国産ではなく中国産であり、版画ではなく切り絵だという事です。遠い昔、中国からは様々な技術や伝統が日本に伝わって..
この美しい版画は、今まで私が製作してきた作品とは違う点があります。それは、オリジナル作品が国産ではなく中国産であり、版画ではなく切り絵だという事です。遠い昔、中国からは様々な技術や伝統が日本に伝わって..
これは蘇った新版画です。というのは、つい最近、昔の版木を用いて木版館工房が新たに摺った作品だからです。 作者は20世紀の前半世紀に活躍した土屋光逸で、1930年代(私共の知る限りでは)に版元の土井版画..
これは江戸後期から明治初期にかけて活躍した柴田是真の絵です。彼の作品は漆器が最も有名ですが、版画用の絵や根付などの小さな立体も制作しています。御覧の作品は、彼がデザインした版画を集めた本の中にありまし..
「北斎を経て」とは、一体どういう意味?このカタログにある他の版画にはこんな題は付いていません。実在する絵をもとに版木を起こしてつくられたのでしょうか?こういった種類の版画には、どのような表現が良いので..