白鷺と菖蒲
商品番号  0082
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22.50000000
x
11.50000000
cm
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今回もその例で、広重が描いたこの絵は、丈がおよそ38センチだったものを23センチに縮めています。この作品を額に入れて壁に掛ける場合は、ひと目見た時の印象が薄くなるかもしれませが、手に取ったりアルバムを繰って御覧になられる場合は、かえって、この大きさの方が身近に感じられます。私が木版画を楽しむ際には、もちろん後者の見方ですが。

この作品には「ぼかし」がたくさんあります。木版画にぼかしを入れるというのは、かなり単純な作業です。まず、色が薄くなるところを湿らせ、濃くなるところに顔料を置きます。それから、ぼかし効果のでるところを、刷毛ですべらせていくだけです。難しいところは、どれも結果が同じ仕上がりとなるように摺る、ということです。創作版画家達にとって、これは気にもならない事のようですが、伝統的な摺師達にとっては、必須の技術なのです。試し摺りの段階ならば、いろいろなぼかし具合を実験的に試みても構わないのですが、最良の状態がひとたび決まると、どんなズレも許されません。では、どの作品も同じになるように摺るのは、なぜ難しいのでしょうか?それは、作業を進めているうちに、刷毛の一端に付いている顔料が、付いて欲しくない所に染み込んでいってしまうため、ぼかしの幅がだんだん広がっていくからなのです。作業を中断して刷毛を洗えば、その次から摺る絵は、ぼかし幅が狭くなりがちです。これは、真直ぐな道を車で運転する時に、ハンドルをほんの少し動かすだけで、車体が左右に振れるのに似ています。何年か前の私のぼかしは、ちょうど初心者の運転する車が、道路を右へ左へとふらふらするように不揃いでした。最近はもっと調整力がついてきましたが、それでもまだ、完全にまっすぐ運転するようにはいきません。いつか皆さんが私の仕事場に来て、広げて乾かしている200枚の版画を御覧になったら、まだ誤差のあることが分かってしまうかも...

これは、ちょっとした逆説になります。創造性を要する仕事をしながら、なおかつ、ロボットのように無心になって作業をし、寸分の狂いもない絵を次々と作ろうとするのですから。してみると、強情者にも取りえはあるもの ..... 時には!

ブル・デービッド 平成13年7月



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