商品番号  0067
在庫  在庫あり
サイズ  15.50 x 11.00cm
3,240円
税別  3,000円

1995年の暮れ、私は東京の古本屋の外に置かれたワゴンの中に、ぼろぼろの本を見付けました。手に取って良く見ると、各ページに明治41年から明治43年までの日付が隔週付いていて、関西の新聞社名も入っています。きっとこれは、新聞の購読料を払う時に貰った付録を集めたものだったのでしょう。(日本には現在もこういう慣習があって、有名な版画をオフセット印刷したものなどを頒布しています。)

木版画の歴史を大まかに辿るように選ばれた作品の数々で、ここにある絵もその本の中にあったものです。絵師は小林永濯、糸で刺繍をほどこした手まりをつく少女の絵です。墨摺だけで表現された単純な作品でしたが、私はすぐに閃きました。「これだ!帯には空摺、着物の模様には銀、墨版はとても細かな彫になるから大事に保存してあるツゲの版木を使おう...」

言い値の500円を支払って本を持ち帰ると自分のコレクションの一部に加え、考えた通りの作品を作りました。