商品番号  0065
在庫  在庫あり
サイズ  24.00 x 15.50cm
7,560円
税別  7,000円

この派の絵師達については、ほとんど知られていませんが、手持ちの参考文献には、彼等がどんな人達だったか、そしていつ作品が作られたのかということにつて、相い矛盾する情報がたくさん書かれています。この懐月堂派によって製作された作品は、ほとんどが巻き物形式ですが、数十作品は版画としても残されているということが知られています。この絵は懐月堂度繁どはんの作で、もっとも妥当な説は1710年代の初期と思われます。署名は「日本戯畫懐月末葉度繁図」(にほんぎがかいげつまつようどはんず)としるしています。


私は日本に住む西洋人なので、このような版画を両方の文化的視点から見ことができるために、その観点の違いにはしょっちゅう驚いています。西洋人の側からの意見は要約が簡単で、「懐月堂の版画は浮世絵のもっとも優れた業績のひとつで、浮世絵そのものは最も優れた世界的芸術のひとつとみなせる」ということになります。懐月堂の作品がオークションに出るなどということは極めて稀なことで、そんな時、蒐集家達はそれこそ躍起になって競(せ)り落とそうと競います。それほど、日本の版画全ての中でも、のどから手が出るほど欲しがられるのです。


一方日本の側では、幾分事情が違ってきます。懐月堂という名前がほとんど知られていないばかりでなく、浮世絵そのものが最高級の芸術としては見なされていません。そういった上等の地位には、書道、焼き物、能、そして茶道が納まっているのです。日本で一番の芸術品と言えば、おそらく年代物の茶器などで、木版画などは論外となります。


ブル・デービッド 平成13年5月