春信の雪
雪の中を行く着物姿の女性は、伝統的な浮世絵に良く出て来る場面です。絵師は鈴木春信で、多色摺りが始まった頃の作品です。この絵は何度も再版されていますが、最初は「風流四季の花」というシリーズの冬に入っていた作品のようです。
浮き出し模様が着物の柄と雪と頭巾に使われていますので、お見逃しのないように。きちんと鑑賞するために頭上の照明は消し、斜めに差込む柔らかな光にかざすような角度で版画を持って下さい。電灯のなかった時代には、誰もがこのように版画を鑑賞したのです。素晴らしい和紙と繊細な顔料のみごとな融合が、みなさまを一瞬「タイムスリップ」したかのような心地に誘うことでしょう。
木版館のスタッフ一同が作り出す美しい版画を、どうかご堪能ください!