商品番号  0044
在庫  在庫あり
サイズ  11.00 x 15.00cm
3,240円
税別  3,000円

これは「北斎画譜」からの作品で、1849年に名古屋で出版されたものです。

私には、ここにある絵本が、現代に至ってもなお魅力を持ち続けている理由がわかる気がします。はるか昔の、遠い過去の時代に画かれたという面白さがありますから。でも1849年当時、この作品を見た人達は、こういった本をどのように受け止めたのでしょうか。絵から昔を懐かしむなどということは、もちろんありえなかったはずですし。答えを求めるには、今日の私達の生活と当時の彼等の暮らしの主な違いについて考えなければなりません。現代に生きる私達は、新聞、テレビ、雑誌、映画、本、壁にかけられた絵、などなど、映像や画像に一日中囲まれて暮しています。皆さんも私も、誰もが、文字どおり幾百という「像」を毎日見ているのです。でも昔の人達は、こんな絵の「パレード」を常に目の当たりにするような暮しはしていませんでした。実際のところ、当時の人達が人工的に作られた画像を見るのは珍しい事だったのです。ですから私には、こういった北斎の絵が、当時の人々の気持ちを絵の中の情景に誘い込むことができたということがよくわかるのです。ちょうど、現代の私達が映画を見てその映像の中に引き込まれていくようにです。映画を見ている間は現実がどこかに消えて、私達は映像の中で描写される世界の一部となりますから。その感情がどんなに強いものであったのかは想像がつきませんが、当時のこういった本の人気から判断して、かなりのものであったことがうかがえます。