絆すも紡げぬ羅は綻びて
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【絆すも紡げぬ羅は綻びて】 (ほだすも つむげぬ らは ほころびて)

日本の各地に様々な形で残る女郎蜘蛛(絡新婦)の伝説。
そのうちの一つ、仙台の賢淵を題材に物語をイメージしたものです。

* 賢淵の物語は、男が淵で釣りをしていると川面から現れた蜘蛛が男の足首に糸を絡めていく。
しばらくすると、また絡めていく。幾度となく繰り返される蜘蛛の様子を不思議に思い、その糸を切り株に括りつけてゆく。
突然、辺りを揺るがすような大きな音が響き、勢いよく切り株が淵の中へと引きずり込まれていった。
すると淵から「かしこい、かしこい」と声が聞こえてきた。

*水辺に蜘蛛の伝説がい多くのこる由来の一つとして、自然災害が関連している様子が窺えます。
伊豆の浄蓮の滝に残る女郎蜘蛛の伝説も、山崩れが背景にあることから、それらは長い年月、人の命を脅かす事象が、妖怪の姿に変えて伝えられてきているのだと感じます。

*また、古くより水辺は神聖な場として扱われ、天から降りくる神の衣を献じるために機を織る棚(小屋)が設けられ、棚機女(たなはたつめ)という選ばれた少女、女性が籠る風習がありました。
後に中国の乞巧奠(きっこうでん)の行事と混ざり、この風習と祓の行事が混ざり、七夕という行事として今に残ります。

***** 

画中の絡新婦は、かつて棚機女として身を捧げた少女。
四季折々に姿を変える山の中で、粛々と機を織る日々。

天のお方はいつぞ、おいでなさるや…

暫く雨が続いた空に、久しく日が照ってた。冬の気配を纏わせた風が、ふわりと通り過ぎてゆく。
その中に時折、きらりと光るものが見える。
小さな蜘蛛が糸を引きながら、風に乗て空中を飛んでいるのである。

我も蜘蛛であれば、風に任せてどこへなりと行けようものか…

ある朝、棚機の隅に蜘蛛の巣が張られていた。朝蜘蛛は来客の前兆といわれている。
微かな期待を内に秘め、少女は笈(おい)を手に取る。

突如、思わぬ災害が機織り小屋とともに彼女を襲い、土砂に塗(まみ)れながら全てが瞬く間に淵底へと沈んでゆく。
水辺の神の妻になれなかった彼女の想いは、まるで手に握っていた笈に宿ったように糸をほどきながら水面へと向かってゆく。

黒い大きな塊となって沈みゆく身体とは反対に…

長い長い年月、彼女は待っていた。この身を暗い淵底から救い上げてくれる者を。


やがてそこに男が一人、現れた...


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