商品番号  0290
在庫  在庫あり
サイズ  15.00 x 11.00cm
3,240円
税別  3,000円

これはジュール・シャデル(Jules Chadel)というフランス人が、1910年頃に制作した作品です。日本美術がヨーロッパに多大な影響を与えた19世紀末頃、「日本美術の友の会(Les Amis de l'Art Japonais)」という盛んな活動を展開するフランスの画家グループがあり、彼はこの会員でした。

こういった影響についてはよく知られていますし記録もありますが、大抵の場合は作品の内容自体に影響の痕跡が見られました。ところがシャデルのように、制作技法で日本の影響を受けた作家も何人かいたのです。彼は版画のオリジナルデザインを手がけただけでなく、彫りも摺りも自分で行ったのです。この技法をどのようにして学んだのか、私には皆目見当がつきません。この頃イギリスに移住していた版画職人の漆原由次郎と何らかの交流があったのか、あるいは、当時日本の版画がたくさんヨーロッパに渡っていたので、それらの作品を研究して独自に工夫をしたのかもしれません。

こうしたヨーロッパの美術家たちによる日本版画の制作は、結局主だった「潮流」にはなりませんでした。日本の技法は、かなり労働集約的ですし、大抵の人は西洋で一般的だった油性絵の具を使う方式に戻ってしまったのです。でも21世紀に入った現在、再びこの現象が起きていて、多くの西洋人がこの技法を試みています。今回こそは、根付くかもしれません!