荘子の夢
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葛飾北斎が描いた「北斎写真画譜」からの絵で、これは見開きページになっていました。この本の初版は1814年で、どうしてかなあと思うのですが、15枚の絵にはなんの説明もないし、本の主題といったものもないようなのです。絵の題材としては、風景や、仏像があるかと思えば、動植物誌や人の瞬間の動きを捉えた描写もあり、といった具合で、出版された当時には一体どのような反響があったものか、また、どういった読者に向けて書かれた物なのか、さっぱりわからないのです。今の時代、ちょっとでもこれに似通ったような本は、どこの本屋に行ってもありませんから。なんの脈絡もないまるで違う類いの15枚の絵が、なんの解説もなく収められているのです。絵の指南書とは思えないし、考えられるとすれば、絵そのものを楽しむ人達が購入したのでしょうか、--- まるで「摺物アルバム」みたいです!


この絵を最初に見た時、私には何を暗示しているのか分からなかったのですが、考えているうちに荘子の詩が浮かんできたのです。たしか... 蝶の飛び舞う姿を夢見ごこちで眺めているうちにふと我に返って、自分は本当は蝶で人間になった夢を見ていて、その人間は蝶になった夢をみていて、とかなんとか... とにかく、このお話は御存じですよね。そこで、どうしてもわからないのが、絵の右端にある小さな入れ物で、羽がひとつちょこんと置かれていますよね。この謎が解けた方は、どうか御一報ください。


ブル・デービッド 平成12年6月



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