商品番号  0283
在庫  在庫あり
サイズ  11.00 x 15.00cm
3,300円
税別  3,000円

これは江戸後期から明治初期にかけて活躍した柴田是真の絵です。彼の作品は漆器が最も有名ですが、版画用の絵や根付などの小さな立体も制作しています。

御覧の作品は、彼がデザインした版画を集めた本の中にありました。文章は一切なく、絵のみで構成されています。一連の絵には季節順などなく、説明もまったくありません。題すらないのです。筆の動くまま描かれた絵を、手当たり次第に収めた福袋のような本です。白い空間がたっぷりあり、絵自体は淡い色調でちょこっと描かれているだけですから、この本を手に取っても数秒でざっと見終えてしまうでしょう。すぐに本を脇に置いて… あくびをし… あまり見るところがない、と…

昔々… 現代とは、大きく異なる社会環境がありました。ほとんどの人々に取って「絵」という存在が、日常茶飯事ではなかったというかなり現代とは違う環境です。テレビも映画もなく、新聞も雑誌もなし。目の前をひっきりなしに「画像」が行進しているような環境ではありません。もちろん絵や版画は存在していましたが、現代とは違い、そういった物は遥かに「特別」な存在で、一般の人が日常的に目にする対象ではなかったのです。

今ご自身を、そんな遥か昔に暮らしていた人の立場に置いてみてください。それから、この作品を手に取ってご覧になると、何が見えてくるでしょう?絵の中に入って、その湯のみから飲んでみましょう… ここに表現されている状況が、じわりと伝わってきませんか?

外は寒いのです!