商品番号  0280
在庫  在庫あり
サイズ  15.00 x 11.00cm
3,240円
税別  3,000円

日本について少しでも知識のある方なら、「観月」という習慣について多少はご存知のことでしょう。日本に来る前、この国に関するたくさんの本を読みましたが、その多くが月見のことを書いていました。たいていは次のような描写です。美しい着物姿の人たちが、庭園に面した広縁に集っている。その下には池があり、水面には昇り始めたばかりの満月が映っている。そんな雰囲気の中、集まった人たちは互いに美しい月を歌に詠み……。 以上は昔の話、時を現代に戻しましょう。このような宴を楽しむ人は、今日もいることと思いますが、どちらかというと稀な例でしょう。現実には、ある時の月の満ち欠けがどのようであるかなど、ほとんどの人たちが知りません。 でも、偶然に満月と出会ったとしたら……。ちょうどひと月前の私が、そうでした。夜になって、たまたま自転車で近くまで用足しに出かけたときのことです。角を曲がると、今まで見たこともないほど大きくて金色に輝く満月に直面したのです。まっすぐに伸びる道路の尽きるところにポッカリ、まるで額におさまっているかのようでした。 こんなに大きく見えることがあり得るのだろうか、と思うほどでした。そして、高く昇っていく様子をじっとたたずんで眺めながら、遠い昔に思いを馳せたのです。高い建物や電灯のなかった時代には、さぞや空の眺めは素晴らしかったことでしょう!